慣らし運転の必要性
愛車をベストコンディションに保つために
最近の車は年々、部品の精度が良くなってきているので、慣らし運転の必要はないと言われています。確かに慣らし運転をしなくても極端に寿命が短くなったり、車が壊れてしまうことはないでしょう。
ただし、数多くの部品の集合体である自動車では、部品の作動部分には完成直後特有の抵抗が存在します。メーカーからのラインオフ状態ではエンジンやミッションはもちろんのこと、サスペンションやブレーキ等も本来の性能を発揮していないのです。
いわゆる『アタリがついていない状態』から部品同士をなじませ、よりスムーズに動くようにして本来の性能を引き出してあげるのが慣らし運転です。
以上のことから、車を大切に考え愛車をベストコンディションに保ちたい人は、初期の慣らし運転をやったほうがよいと思います。
慣らし運転の方法 ~ひら@HRS流ならし術~
最初は急加速・急ハンドル・急ブレーキ等の激しい運転を避け、部品同士をなじませ、徐々に負荷を増やしながら各部のアタリをつけていきます。
サスペンションやブレーキ、タイヤ等も初期のフリクションを取り除き徐々にアタリをつけていくことで、車本来の性能を引き出していきます。
第一段階(走行500kmまで)
エンジン回転数はMAX 3500(~4000)回転ぐらいまで。 あまり負荷をかけないように、できるだけ一定速度で走ります。 クラッチやシフトチェンジ、ブレーキなどの操作も極力ていねいに。 (渋いギヤを無理矢理シフトなどはもってのほか、シフトが入りにくい時は そのまま一呼吸、自然にギヤが入るのを待つようにします) エンジンはもとより、車の各部をなじませる様にていねいな運転を心がけます。
ならし開始の際、エンジンパーツのかじりをふせぐため、モリブデン系の添加剤を使用するのも有効です。HRSで扱っているルブローレンのFM2000はまさにぴったりです。
【第二段階】(走行1000kmまで)
MAXのエンジン回転数を+500~1000回転あげ、あまり負荷をかけないように できるだけ一定速度で走ります。
1000km走行した時点で、エンジンオイル・ オイルフィルター、各ギヤオイルをフル交換します。廃油に含まれる 金属粉や金属片をチェックします。これで初期ならしはひとまず完了。
※最近はMT車より、AT車やCVT車が増えています。ATやCVTのフルードは無交換と言われてますが、構造上 初期なじみで金属粉が出やすいので、1000kmでフルード交換したほうがいいと思います。
【第三段階】(走行3000kmまで)
抑えていたエンジン回転数を少しずつ上げ、かける負荷も多くしていきます。 いきなり回転を上げるのではなく、徐々に回転をあげ・回転を上げる回数を増やし、 負荷もかけていくようにします。(自分の場合、走行500kmで500回転を 目安に 例えば1500kmまでは5000回転、2000kmまでは5500回転 2500kmまでは6000回転、3000kmまでは6500回転のようにしてます。※きっちり回転を守るというより、おおむねの目安として考えるかんじです)
一定速度で走る初期ならしとは違い、決めたMAXエンジン回転数を守りつつ 加速・減速、シフトアップ・シフトダウンなども交えて走り、エンジンブレーキも使いつつ加減速のアタリをつけるようにします。ブレーキやコーナリングにも気を配り、サスペンションをストロークさせたり、ブレーキのアタリつけも意識します。 ここでも無理矢理の操作は禁物。ていねいな操作をこころがけます。 3000kmを走行した時点でエンジンオイル・オイルフィルター、各ギヤオイル をフル交換します。廃油に含まれる金属粉や金属片をチェックします。 ここまで来ると、金属粉なども減り、エンジンやギヤもなじんでスムーズに動く ようになっているはずです。
【第四段階】(走行5000kmまで)
抑えていた回転数もレッドゾーンまで解禁、加速・減速、シフトアップ・ シフトダウンなども交えて、総合的なあたりをつける作業に入ります。 5000kmを走行した時点でエンジンオイル・オイルフィルター、各ギヤオイル をフル交換します。以上でならしの最終段階も完了です。
ならし完了後、走行7000~10000kmの間でマイクロロンや進化剤等のコーティング系添加剤を施すことでよいコンディションを長く維持できる様になると思います。以上、少し懲りすぎかもしれませんが、入念にうまくならしをするとモーターのように吹けあがり、シフトフィールも抜群になります。
※5000kmまでやらないにしても、例えば1000kmまでや3000kmまでなど自分で距離を決めて上記に準じた形で慣らし運転をしてあげるとよいですよ。