走行10万kmのエボ7GT-Aを購入されたのですが、ミッションから異音が出ているとのことで相談頂きました。試走してみると1~3速で異音が出ていて、4速になると異音は止まります。クリープ現象も起きないし、変速時のレスポンスも悪くATFが劣化しているのは間違いないけど、異音は機械的な部分に問題がありそうです。リビルドミッションの価格を調べてみると、工賃込みのトータルで40万円コースになりそう(大汗
オーナーさんと相談の上、ダメもとでATFを交換してみようということになりました。
ATF交換中。走行10万kmの汚れが蓄積されたフルードは真っ黒。
今回使用するのはルブローレン ATF type-III。
約17Lのフルードを使い内部洗浄&全量交換。真っ黒だったフルードもここまできれいになりました。
オートマ大国 アメリカのMOC社製 高性能ATFチェンジャー。コンピューター制御の圧送式を採用し、廃油の回収と新油の供給を独立した別経路で行いフルードの全量交換が可能です(日本で高性能機として知られているトルコン太郎も同じ方式で、現在流通している多くのATFチェンジャーの中でもトップレベルの性能を持っています)。一般的な循環式ATFチェンジャーのようにATF交換時に汚れたATFがオートマミッション内を再循環してしまうことがありません。
ATF交換作業を終えて
ATF交換作業を終えて試走に。残念ながら問題となっている異音は直らず。
但し、クリープ現象は復活し、変速ショックもなくなりレスポンスも改善。今回の事例から、ATF交換でATのコンディション回復に効果はあるものの万能ではなく、機械的な故障は直らないと言えます。
今回は車両購入時点で既に異音が発生してしまっていたため、オーナーさんとしては対処のしようがなかったのですが、こうなる前にATF交換をしていたらATのトラブルを未然に防げていたかもしれません。ATFは無交換で大丈夫と言われているのは、走行10万km程度で車を乗り換えることを想定してると思います。大切な愛車のコンディションを良い状態に保ちたい、特別なクルマで,20年 30年と長く乗り続けたい、そんな時はATF交換が欠かせません。
HRSでは圧送式、全量交換のトルコン太郎方式。ATF無交換・過走行で通常だとATF交換を断られてしまうケースでも作業できますのでHRSまでご相談ください。