普段は見落としがちですが、ラジエタークーラントの管理はとても大切です。一般的なクーラントの寿命は2年で、それを過ぎて使い続けると冷却性能も落ちてしまいますし、なにより怖いのは防錆性能が下がって、冷却系内部が腐食してしまうことです。
また最近の車では、長寿命を持つスーパーLLCが生産ラインで充填されていて最初の10年は安心ですが、こちらもディーラーさんや一般の整備工場で通常の交換作業の場合、どうしても劣化した古いクーラントが残ってしまい、例えスーパーLLCを使っても本来の性能にくらべて7割程度の能力になってしまいますので注意が必要です。
HRSでLLCを交換する場合、まずは劣化したクーラントをしっかり抜いたあと、流水洗浄でヒーターも含めた冷却通路を徹底的に洗い流します。画像は古くなって劣化したクーラントを洗い流しているところ。
ヒーターホースのかわりに透明なホースをつなぎ、目視確認しながら、最初は色がついた古いLLCが、透明な真水の状態になるまでしっかり洗い流します。
一般的な自然落下の抜き取り作業ではどうしても内部に水が残ってしまいますが、HRSでは特殊な機材で冷却系に圧をかけて、内部に残った水を取り除いています。
残った冷却水が強制的に排出されます。圧力をかけて冷却系統を痛めることはないか心配される人もいますが、冷却系に普段かかる力よりも低い圧力で水を抜くので大丈夫です。
ヒーターホースを元に戻して、今度は専用ツールで吸引して冷却系内部を真空にします。真空にする過程で残っている水分も取り除くことができ、交換作業の質を高めています。（劣化したLLCはもちろんのこと、洗浄に使った水も極力残さないようにしているのです）
経年劣化等で万一どこかにLLC漏れの箇所がある場合、冷却系を真空にする工程で真空状態が維持できないので、冷却系の密閉チェックにもなります。
今回は原液使用 耐用年数5年10万km の長寿命＆冷却性能に優れる ケミテックPG55HQ スーパーLLCを充填。
この真空方式によるメリットはとても大きく、劣化したLLCや洗浄に使った水をしっかり取り除き、通常のエア抜き作業は必要ないほど、ほぼ完璧に入れ替えることができます。
エアの抜けにくい水平対向エンジンや、ミッドシップ車でも確実な交換作業が可能ですので、冷却系にこだわるならHRSにご用命ください
