データ整理をしていて代車に使っているスバル VIVIO のドア開口部とサイドシルにスポット増し補強作業した画像を発掘したので、ボディ補強のケーススタディとして紹介します。
スポット増しとは競技車両等に用いられるボディ補強の手法。パネル接合部の純正スポット溶接の間にさらにスポット溶接を追加することで、ボディのよじれやひずみを抑制します。
タワーバーやロワアームバーなど補強バー等を追加する方法と違い余分な重量増なしで飛躍的にボディ剛性を高めることができるのです。
ちなみに構造解析の技術が進んで、ボディ剛性がノーマルでもしっかり確保できている最近のクルマより、1990年代以前の車両の方がスポット増しの効果が大きく得られます。今回のVIVIOは24年前の軽商用車ですから、現代の基準で考えるとボディはもともとグニャグニャなのですが、スポット増しの恩恵で驚くほどしっかりとした走行フィーリングを実現してますよ。
まずはドア開口部やサイドシルのパネル接合部を養生しつつ、剥離剤で塗装を剥がします。
サイドシルパネルの塗装を剥がしたところ。このあと純正スポット間に1発または場所によっては2発、追加でスポット溶接を打っていきます。
スポット増し後のドア開口部は防錆ペイントでタッチアップしていきます。
サイドシルは雨風に晒されるほか、ジャッキアップポイントもあるので、丈夫な防錆皮膜を形成する、二液タイプのジーバートベットライナー防錆剤で強力に保護します。
最近のクルマは最初からしっかりボディ剛性を確保して作られていますが、2000年前後以前のクルマは発展途上で、ドア開口部やサイドシルのスポット増しを施すとボディ剛性が格段に上がって、操縦安定性や快適性の向上に効果がありますよ。