CT9A ランエボ8MR クラッチ交換

トータル愛車診断で入庫頂いたランエボ8MR。クラッチが滑っていて、しかも末期症状。そのまま入院となりました。

CT9A ランエボ8MR クラッチ交換

右側が車両についていたクラッチディスク、フェーシングが摩耗していてこんな状況になってました。ガレージHRSでは通常クラッチ関係で中古品を再利用することはありませんが、今回は費用を抑えるため、素性がしっかりしていて程度の良い中古品ストック(左)を使用します。

ブラスト検討中

エンジンOHやブッシュ打ち換え等の際に、古くなったパーツをきれいにしたくてブラストの導入を検討しています。当初、定番のサンドブラストを考えていたのですが、旧車レストア等も手掛ける知り合いのSHOPさんに勧められたのが重曹ショット。

サンドブラストは研磨力が強力な反面、設備が大掛かりになったり、ブラスト後の砂の除去に気を使う必要があるとのことで、今では重曹ショットに切り替えてるとのこと。(実際に使っている人の声は貴重でとても参考になります) 調べてみるとスナップオンのソーダブラストが2万円位、EZブラストという製品が4万円位で今はドライショット仕様だけどウェットショットもできるオプションを開発中らしい。

CT9A ランエボ8MR クラッチ交換

いろいろ悩みつつその道のエキスパートさんに相談したところ、現時点で平山さんの希望にぴったりなのはこれが一番いいと思うよと、重曹ブラストのツールを貸出ししてもらえて、ショットの方法を試行錯誤してます。今回のクラッチ交換作業で外したミッションケース。ハウジング内はこんな感じで真っ黒、ケース外側もアルミが腐食して白錆だらけになってます。

CT9A ランエボ8MR クラッチ交換

ここで新兵器 重曹ブラストを試してみると、あっという間にこの通りいい感じに洗浄できます。ショット前の養生作業に少し手間がかかるのと、まだ慣れてなくてショット作業で自分がびしょ濡れの重曹まみれになってしまうのが難点ですが、もう少しコツがつかめたらガレージHRSの定番メニューに組み込むかも。

重曹ブラストの効果

重曹ブラスト

例えばガレージストックの苔蒸したエボ9リアデフも、重曹ブラストすると・・・

重曹ブラスト

この通り、見違えるほどキレイになりました。

サンドブラストにくらべて重曹ブラストはソフトな研磨力が特徴です。アルミ等の柔らかい素材でもダメージが少なく、表面の汚れや錆だけを取り除いたり、ペイント落とし等を短時間で効率よく処理できます。ランエボ等のアルミのミッションケースやアルミ鍛造のサスペンションアームの汚れ落としや、一般的なスチールアーム類の汚れやペイントを落として再塗装する場合等に活躍すると思います。

ブラストを試していて、逆に固い素材や頑固な鉄さびの除去はちょっと不得意かもって感じます。この辺は素材やパーツの状態によって、重曹ブラストや定番のサンドプラスト等を使い分けるとよいと思います。それからWPC処理後に錆びやすくなるように、ブラストやショットは汚れを落とせても発熱等で錆びやすくなることがありますが、重曹と水を同時にブラストするウェットショットならブラストによる発熱も抑えられ、更に重曹はアルカリ性なので酸化の防止になります。

サスペンションアームのブッシュ打ち換えやリアデフのマウント打ち換えの時に、アームをブラストで錆や汚れを落としてリペイントしたり、クラッチ交換やミッションOHの際にミッションやトランスファーのアルミのケースにブラストかけてきれいな状態で組付けしたら、僕が車両オーナーなら嬉しいし、そういうところまで気を使ってくれるガレージに作業を頼みたいなって思うのですが、皆さんならどうですか?

とりあえず、まだ通常の作業メニューには組み込んではいませんが、ご依頼があれば今でも各種作業時にブラストを行うことができますので、興味のある人は相談して下さい。